葬式

今日、祖父の葬儀がありました。法事というのは、どうにも足がしびれていけません。
で、初めて採骨というものをしました。さっきまで棺に眠っていた遺体はすでに世界のどこにも存在せず、代わりに目の前に骨がある。不思議な感覚です。
さて採骨するとき、葬儀場の係員の人が色々説明してくれるわけですが。これがどこそこの骨でこちらはあそこの骨であるというようなことを延々と言うのです。なにゆえ、こんなところで解剖学的(?)講義を聴かされねばならないのか。非常にいらいらします。我ながら短気ですね。その説明はその後骨壺に骨を収めるにあたって、どこの骨から収めていっているのか素人である我々にも分かるように言ってくれているのだと思うのですが、そういう説明は一切無いものだから困る。
ともあれ骨壺に骨を収めていって最後には頭蓋骨を上の方に乗せていくんですが、ぼくらが箸で拾ったものを係員の人はパッと掴んで自分で詰めていくんですね。
仕事だというのは分かります。まだ十分に熱いだろう石床のすぐそばに立って他人の骨に触れ、整理する作業をおそらくは一日に何度も繰り返すというのは肉体的にも精神的にも疲れる作業だと思います。そんな中でも言葉遣いは丁寧です。だがしかし、それにしても、なんだかおそろしく事務的かつ短兵急に儀式を進めているように感じました。
こんなんでみんな平気なのかな、と思った次第です。